BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日本語ロック論争とボクシングをする詩人たち(番外編)

近代詩と唱歌の誕生 漢詩や和歌に親しんできた日本人がヨーロッパ風の近代詩を書き始めたのは,1882(明治15)年に刊行された『新体詩抄』からだと言われています。 収められている詩のほとんどは翻訳詩です。 ほぼ時を同じくして『小学唱歌集』(1881~1884…

横光利一の「蝿」をテーマにした研究会を聴きに行きます。

昨年の2月にブログを開設して,気がつけばなんだかたくさん記事をアップしていました。いちばん多いのは村上春樹がらみの記事ですが,じつは私が卒論で取り組んだのは横光利一(1898-1947)という作家です。 横光利一は,1920年代にデビューした新感覚派の…

木陰で読んだ島崎藤村―ちょっくら旅をしてきました。。。

短い夏休み。上州,信州,会津とドライブしてきました。 視界いっぱいに広がる豊かな水田や,目にも鮮やかな深緑の山々を眺め, 少しばかりリフレッシュ。 写真は会津が生んだ伝説の牛乳“べこの乳”です! うちの近くの「高級スーパー」で買うと, 300円以上…

ねじめ正一のライブ―日本語ロック論争とボクシングをする詩人たち(4)

ねじめ正一の課外授業「ようこそ先輩」 今から8年も前になりますが,1998年10月1日(木)にNHK教育テレビで放映された「課外授業 ようこそ先輩」で講師をつとめたのは,詩人のねじめ正一でした。 母校の杉並第四小学校の教壇に立ち,詩の授業をしたねじ…

現代詩の終焉?―日本語ロック論争とボクシングをする詩人たち(3)

ポスト日本語ロック論争―Jポップの爛熟 1970年代初頭に洋楽に目覚めた私にとって,「日本語ロック論争」は,邦楽はダメじゃんという感覚の根拠になっていました。気恥ずかしくなるような日本語のロックを聴きながら,日本でロックをやるのはきわめて困難だと…

漣健児と桑田佳祐―日本語ロック論争とボクシングをする詩人たち(2)

日本語ロックの原点を作った男?漣健児 日本語を洋楽のリズムに乗せるために何が必要かということを熟知していた人物が,訳詞家の漣健児(さざなみ・けんじ)です。 本名は草野昌一。残念ながら,昨年の6月6日に74歳で亡くなりました。(漣健児オフィシャ…

大滝詠一と内田裕也―日本語ロック論争とボクシングをする詩人たち(1)

日本語ロック論争とは? 日本語の歌詞がファンキーな音楽に乗せて歌われたり,日本語によるラップが次々にヒットしたり,日本語によるロックの可能性が真剣に論じていた時代から考えると,信じられないような状況が目の前にあります。 「日本語ロック論争」…