平成最後の日に(もう令和)
引退と退位
平成8年9月に伊達公子選手が引退を発表したとき,ファンだった私は,ほとんど「メロスは激怒した」状態でした。
理由が結婚などの私生活に関することではなく,テニスプレーヤーとして「そろそろそういう時期だ」というような口ぶりでの引退表明だったことや,そもそも25歳という年齢での引退ということに「欺瞞」というか「錯誤」というか,あるいは裏切りとか嘘とかゴマカシとかという類いの不誠実な精神のニオイを感じたからです。
「きっといずれ引退を撤回するに違いない」と感じた私は,「休養」ということにしておけばいいのにどうして「引退」などという言葉を口にするのだろうといぶかしく思っていました。(もしかすると大人の事情のようなものがあったのかもしれませんが,ファンとしては理解し難いことでした。)
案の定,12年後に伊達公子選手は復活したわけで,「だから言ったこっちゃない」「今さら復帰してどーすんの?」と思ったものです。
ファンとしてはよくないことかもしれませんが,「可愛さあまって憎さ百倍」というか,復活後にメディアに取り上げられている伊達公子選手を見るにたびに「メロスは激怒した」ものでした。
思えば,昭和53年に「普通の女の子に戻りたい!」と叫んで引退しながら数年の間に相次いで芸能界に復帰したキャンディーズや,昭和59年に36歳で「普通のおばさんになりたい!」と言って歌手を引退しておきながら平成2年に完全復帰を果たした都はるみなど,数々の引退詐欺がトラウマになっているのかもしれません。
あんなに引退を惜しんで悲しんだのに,いったいなんなんだ?というような…。
ですから,安室奈美恵の引退も私は信用していません。
いや,イチローの引退ですら100%信じてはいません。
ステージに送られる拍手喝采や球場を満たす歓声にふたたび包まれることが可能だと思えば,彼らはきっと復活し復帰するに違いないと思うんです。
僕の大好きなシンシア,南沙織も!
退位というのは不可逆なプロセスです。
再結成も復活もあり得ません。
今上天皇は私の父と同世代。
恐れ多いことですが,終わり方として見事だなぁと感じ入るばかりです。
さようなら,平成。。。
こんにちは,令和!