BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「ノルウェイの森」と映画「卒業」(その2)

映画「卒業」の最後の場面。マイク・ニコルズ監督は,バスに乗り込んだベンジャミン(ダスティン・ホフマン)とエレーン(キャサリン・ロス)の顔を,長まわしで撮り続けます。困難を乗り越えて結ばれようとしているはずの2人の顔は,走り続けるバスの振動…

「ノルウェイの森」と映画「卒業」(その1)

小説「ノルウェイの森」の中で「スカボロフェア」のメロディーが最初に流れるのは,阿美寮のコーヒー・ハウスのステレオからです。FM放送で音楽が聴きたくて,いつもわざわざコーヒー・ハウスを訪れるレイコさんが希望して,スイッチが入れられて間もなく…

町田康の「くっすん大黒」

歯切れを悪くしてうねるような独特のビート感を出し,読む者を酩酊させる冗舌体が心地よい小説です。 君がとってもウイスキー。ジーンときちゃうわ。スコッチでいいから頂戴よ。 滑って転んでオオイタ県。おまえはアホモリ県。そんなことイワテ県。ええ加減…

中村三春さんの書評

先週金曜日発行の『週刊読書人』(5月6日・13日合併号)に,拙著『横光利一と敗戦後文学』(笠間書院)の書評が出ました。 評者は山形大学の中村三春さんです。『フィクションの機構』(1994年・ひつじ書房)や,小森陽一さん,宮川健郎さんとの共編著『総…

乱舞するお尻

去る4月24日(日)に現代文学史研究所主催の「『大菩薩峠』を読む会」に参加しました。これから毎月最後の日曜日に文庫本で1冊ずつ読んでいき,大長編小説「大菩薩峠」を2年近くかけて読破しようという会です。 「大菩薩峠」は,泉鏡花や谷崎潤一郎など,…

「ノルウェイの森」と「スカボロ・フェア」

ポップスは基本的に4拍子です。ロックもラップもジャズも演歌も基本は4拍子です。8ビートだろうと,16ビートだろうと,32ビートだろうと同じことです。ロックの神様であり,ポップスの王者であるビートルズの曲も,大半は4拍子です。 ただし,音楽性豊か…