BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

レイコさんは誰が?―「ノルウェイの森」映画化決定!(その2)

映画「ノルウェイの森」のキャスティング 村上春樹の「ノルウェイの森」映画化が決まりました。(前の記事「香椎由宇の直子と木村カエラの緑?」) キャスティングについては,「直子は香椎由宇で緑は木村カエラ」という2ちゃんねるの書き込みはなかなかい…

香椎由宇の直子と木村カエラの緑?―「ノルウェイの森」映画化決定!

「ノルウェイの森」映画化 昨夕(30日夕),毎日jpに「村上春樹さんの人気小説『ノルウェイの森』が映画化されることになった。製作のアスミック・エース・エンタテインメント社が30日、発表した。脚本・監督は、ベトナム出身のフランス人のトラン・アン・…

作中人物と書き出し―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む(その2)

ふたたび作中人物の排尿について 人間が生きていれば1日に何度もトイレに行きますし,ビールを飲めばその頻度も増します。 それでも小説の中ではいちいち作中人物がいつ用を足したのかについて描写しません。 『海辺のカフカ』の佐伯さんの排尿シーンなど,…

尿意の喪失?―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む(その1)

尿意を喪失した作中人物の「私」 「僕」が語る世界(世界の終り)と「私」が語る世界(ハードボイルド・ワンダーランド)が交互に展開する村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』という小説には,いたるところに“作り事”であることを示す…

「羅生門」の下人はどこから来たのか?―81回目の河童忌を前に

下人はどこから来て,どこへ行ったのか? 7月24日は芥川龍之介の命日,河童忌です。 2年前の河童忌にバタバタと書いた中途半端な記事(「雨やみを待ちながら―79回目の河童忌に」)を補足すべく,「羅生門」について記してみます。 「羅生門」の下人は,い…

弱き者,汝の名は?―太宰治にとって美男子とは?(その5)

ルドルフ・ヴァレンティノという美男子 太宰治の時代,美男子のイメージがどのように作られたのかと言うと,それはやはり映画ではなかったでしょうか。たとえば1920年代に超人気俳優だったルドルフ・ヴァレンティノ(1895‐1926)などが銀幕の世界の典型的な…

背が高くて,色が白い―太宰治にとって美男子とは?(その4)

羽左衛門に似た美男子 太宰治にとって美男子とは何かいう問題を考えるには,どちらかというと内面的な特質について検討した方がいいのではないかと思えるのですが,少しだけ回り道して外見的な特徴について考えてみます。 太宰治の「未帰還の友に」という小…

「未帰還の友に」と上野駅―太宰治にとって美男子とは?(その3)

未帰還の友と上野駅 太宰治が敗戦後に発表した「未帰還の友に」(1946)にも,戦争中に発表された「散華」(1944)と同じように,徴兵されて戦地におもむいた年少の友人が登場します。 「鶴田君」という青年は,東京帝国大学の文科を卒業すると,昭和17年(1…

「散華」する若者たちの美―太宰治にとって美男子とは?(その2)

太宰治の「美男子と煙草」という短編小説について,もうちょっと考えてみます。 浮浪者は美男子? 雑誌記者から上野の地下道にたむろする浮浪者についての感想を聞かれた「美男子と煙草」の「私」(太宰治)は,こんな風に言っていました。 「実は、僕なんに…