BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画「硫黄島からの手紙」をめぐる断想―「高瀬舟」「羅生門」の世界

「高瀬舟」の安楽死 森鴎外の小説は,戦前の中等学校(現在の中学・高校)の教科書にたくさん掲載されています。「山椒大夫」や「高瀬舟」などが代表的なものです。 「山椒大夫」も「高瀬舟」も,兄弟愛(姉弟愛)を描いた小説であると言えますから,戦前の…

村上春樹の「ささやかな時計の死」とソーラー電波時計

ねじ巻き時計と電池時計 村上春樹の『村上朝日堂はいほー!』に,「ささやかな時計の死」というエッセイが収められています。 前半は,ねじを巻けば少なくとも丸一日はきちんと動いてくれる「ねじ巻き時計」と,何をせずとも二年くらいは一人で動いてくれる…

青空文庫のなかの不二家―宮本百合子と寺田寅彦とペコちゃん

近代文学のなかの不二家 1910(明治43)年,藤井林右衛門が横浜の元町で創業した洋菓子の不二家が世間を騒がせています。 藤井林右衛門は,洋菓子を学ぶためにアメリカに渡り,洋菓子の普及に大いに貢献しました。ショートケーキやエクレアなどを日本で最初…

田口ランディ,木村カエラ・・・そして野中ウルオ

「水上勉」ってどう読むの? 『雁の寺』『金閣炎上』などで知られる作家の水上勉のことを,私は長い間「みなかみ・つとむ」だと思っていました。しかし正しくは「みずかみ・つとむ」と読むんですよね。 しかも,立命館大学の学生証には「みづかみ・つとむ」…

村上春樹の「東京ブルース」っていう小説,知らない?

村上春樹の「東京ブルース」っていう小説,知らない? いきなり聞かれて,う~ん,知らないな~と思いましたが,記憶の奥底になにか引っ掛かるものがあって,しばらく頭の中をスキャンしていました。 それでも思い出せないので,パソコンの前にすわって,「…

メトロン星人の夕焼け空に捧ぐ―50,000ヒット達成記念コラム

最近の夕焼け空は赤くなくない? でも最近は,夕焼け空を見ることがほとんどなくなりました。そういう時間帯に外にいることが少なくなったせいでもあるでしょうし,たとえ戸外にいたとしても,視界をさえぎる建物が増えて夕焼け空を簡単には見わたせなくなっ…

恭賀新年―“虚構の春”のご挨拶

あけましておめでとうございます! 本年は亥年とのこと。 猪突猛進と行きたいところですが, 相変わらず,のらくらとマイペースで,与太を飛ばしたいと存じます。 ・・・というご挨拶が,“虚構の春”とならぬよう,せいぜい精進する所存です。 本年も変わらぬ…