BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

先生はじつはお見合いをしていた?―夏目漱石「こころ」再読

100年目の「こころ」再読 石原千秋さん責任編集の『夏目漱石「こころ」をどう読むか』(河出書房新社)を読みました。 『朝日新聞』が今年の4月20日から100年ぶりに再連載している「こころ」は,教科書の定番教材としても読み継がれていて,多くの日本人が一…

震災後文学論(3)―梶井基次郎

桜の木の下には屍体が… ソメイヨシノが生まれたのは,江戸末期のことだと言われています。 種子で増えることがなく,接ぎ木でしか繁殖しないソメイヨシノは,すべて人工的に植樹されたものです。 公園や学校,街路や河川敷など,都市空間を整備する事業を行…

震災後文学論(2)―川端康成

震災後文学としての「浅草紅団」 1920年代末の浅草を舞台に,都市の周縁を生きる不良グループの少女弓子を追いかけながら,最先端の時代風俗を活写した『浅草紅団』(先進社 1930年12月)は,川端康成が生み出したの傑作と目されてきました。 ただし,「浅草…

震災後文学論(1)―芥川龍之介

関東大震災と芥川龍之介 昭和文学のはじまりを象徴する出来事として,関東大震災と芥川龍之介の死をあげることができます。 大正12年9月1日と昭和2年7月24日。1923年と1927年。およそ4年の時を隔てた2つの出来事は,一見まったく無関係にも見えます。 でも,…