BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

答えの出ない問いを考える―太宰治にとって美男子とは?(その1)

最適のパートナーはだれか? 公式に当てはめてみたり,数量的な調査をしてみたりして,答えがはっきり出る問題を考えるのも悪くないですが,必ずしも答えが一つではなく,場合によっては答えが出ないかもしれない問題を考えるというのも,なかなか捨てたもん…

太宰治の「美男子と煙草」―サバイバーズ・ギルトと浮浪者

知る人ぞ知る太宰治の名作短編 去る6月19日に60回目の桜桃忌を迎えた太宰治に,「美男子と煙草」という魅力的な短編小説があります。 ごく短いものですから,とりあえず読んでみて下さい。(PCでご覧の方は青空文庫の「美男子と煙草」へ) 読みましたか…

伏せ字になった浜崎あゆみさんの歌詞―著作物の「公正利用」について

伏せ字になった浜崎あゆみさんの歌詞 ある出版物にこんな文章が載っていました。 若者たちに圧倒的な人気を誇る歌手、浜崎あゆみの歌は、そのほとんどが自分語りのようなものですが、若者たちはそこに共感を覚えるといいます。たとえば、彼女が自ら作詞した…

市川崑監督の映画「こころ」―日置の土下座と敗戦後の影

ていねいな映像化 藤井淑禎さんの「市川崑の『こころ』」という論文(2008年3月『大衆文化』創刊準備号)を読むために,市川崑監督の映画「こころ」(1955年制作,夏目漱石原作)を観ました。 夏目漱石の「こころ」が下編を中心として教科書に採録されるよう…

村上春樹的「やれやれ」の源流を探る―庄司薫,夏目漱石,横光利一,新美南吉

村上春樹の「やれやれ」 村上春樹の小説に頻繁に登場するセリフに「やれやれ」というのがあります。 たとえばこんな風に使われています。 それからボールをバンパーに当ててマグネットの調子を点検し、全てのレーンを通過させ、全てのターゲットを落とした。…

総武線擬人化キャラ?―ゲームシナリオとしての『赤頭巾ちゃん気をつけて』

月屋さんが描いた由美ちゃんのイラスト 「ツンデレの元祖?―『赤頭巾ちゃん気をつけて』の由美ちゃん」を読んで下さった月屋工場さんが,「ゲームシナリオとしての庄司薫作品」という興味深い記事をアップしてくれました。 感動的だったのは,私のリクエスト…