BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2010-01-01から1年間の記事一覧

日活映画をパクったか?―映画「ノルウェイの森」レビュー(2)

Yahoo!映画での評判の悪さ トラン・アン・ユン監督の映画「ノルウェイの森」は,あまり評判がよくありません。 Yahoo!映画の評価の平均値は,「総合: 2.78点」 (26日午前9:30現在)です。 かなり厳しい状況です。 でも,多くの人たちによる評価の平均値が…

あなたの存在が私を苦しめる―映画「ノルウェイの森」レビュー(1)

私もエキストラで参加した映画「ノルウェイの森」を観てきました。 エキストラ参加でもらえる4種類の記念品を揃えるために,自分だけではなく愚息にもエキストラをさせたので,いったいどこに映っているのだろうかということが気になってしまい,十分に映画…

師走の近況報告―ついに銀幕デビュー!?

まもなく銀幕デビュー! 映画「ノルウェイの森」の公開が今週土曜日(12/11)に迫ってきました。 ついにワタクシも,トラン・アン・ユン監督の国際映画で“銀幕デビュー”です。 以前ファン限定記事で書いたのですが,緑がワタナベを連れて父親の見舞いに病院…

芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったのか?

邪推?妄想? 『芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったのか―擬態するニッポンの小説』を読みました。 「走れメロス」や「坊っちゃん」にまで話を広げつつ展開される「邪推や妄想」(「おわりに」)は,著者の市川真人も言っているように「正確さや周到さ」…

うわさの文学者クイズ―ミスター腹筋の巻

うわさの文学者クイズ! ある文学者に関する“うわさ”を,Yahoo!ブログから拾い集めてみました。 引用されたものが,いったい誰に関する“うわさ”なのか,あててみて下さい。 ヒントになるようなコメントやナイスボケ,新たな“うわさ”も大歓迎です。 (例→「フ…

知らない同級生と1984年の記憶―パラレル・ワールドとしての現代世界(2)

知らない同級生 高校を卒業して?十年。 偶然にも仕事の関係で同じ高校の同級生と出会うことがあります。 卒業年度や生年月日を確認すると,同級生であることは確実なのですが,相手の名前を聞いても「……」。 共通する友人はいないかと名前を出されて「知っ…

AKB48と氷川きよし―パラレル・ワールドとしての現代世界

マンガ家の知性が大学教授を超えたとき NHKアーカイブスの「わたしが選ぶ“あの番組”」に大橋巨泉さんが出演していました。 たまたまテレビをつけていたら遭遇したのですが,昔から“理想の伯父さん”として憧れていた人物が何を語るのか,興味津々で見入っ…

うわさの文学者クイズ―まんまる眼鏡の巻

うわさの文学者クイズ,第2弾! ある文学者に関する“うわさ”を,Yahoo!ブログから拾い集めてみました。 ここに引用するのはほんの断片ですが,いったい誰に関する“うわさ”なのか,あててみて下さい。 名前ではなく,別のエピソードや裏話などを通じた遠回し…

333333ヒット通過記念―文化の日の近況報告

リア充? リア忙? “ブログの夏休み”と称して8月の更新は1本にとどまり,“夏休み明け”の9月は3本だったものの,10月は“ブログの夏休み”並みのたった1本というテータラクでした。 記事を書きたいのはヤマヤマなのですが,うかうかエントリーでもしようも…

うわさの文学者クイズ―岩石岩次郎の巻

うわさの文学者クイズ! ある文学者に関する“うわさ”を,Yahoo!ブログから拾い集めてみました。 ここに引用するのは,ほんの断片ですが,いったい誰に関する“うわさ”なのか,あててみて下さい。 おわかりになった方は,内緒機能でお答え頂くか, 名前を書か…

「フィール ソウ グッド」とスプーン―初出誌で読む山田双葉(1)

メジャー誌デビュー作 山田双葉(=山田詠美)のマンガを掲載した初出誌コレクションの中に,主婦の友社発行の『ギャルズコミックDX』1980年秋の号があります。 一般の書店に流通していた立派な(?)少女マンガ雑誌で,大島弓子の「ヒーヒズヒム」のよう…

山田詠美と「乙女の密告」―初出誌で読む山田双葉(序)

「乙女の密告」という踏み絵 第143回芥川賞を受賞した赤染晶子さんの「乙女の密告」を読んでいます。 『文芸春秋』で読んだのでまずは選考委員の選評に目を通したのですが,いつも通りの「到着順」の掲載でトップになっていたのは,小川洋子の「人形とストッ…

バブリーなキングムーとサイケなウルトラマン―札幌路上観察レポート

…久しぶりに書庫「路上探偵団トマソン」へのエントリーです。 伝説のキングムー 1泊2日+2泊3日にわたるこの夏の札幌滞在最終日,JR札幌駅のコインロッカーに荷物を預けた私は,ゼッケンをつけたマラソンランナーにまじって,北海道マラソンのスタート…

正しい意見が消滅する授業―札幌聖心女子学院の「夏のセミナー」

15泊20日のコッテリした夏 ブログの夏休みでほぼ1ヶ月もの間,エントリーを休んでいました。 そのあいだに,山梨県の金峰山で捻挫した右足首の痛みと付き合いながら,山梨県の道志村に行き,群馬県の富岡市に行き,新潟県の新潟市に行き,福島県の猪苗代町…

「嵐を呼ぶ男」と言葉狩り

やんちゃなひろしとやくざな裕次郎 石原裕次郎の歌でおなじみの「嵐を呼ぶ男」がリメイクされて,この夏の新製品「キリン本格〈辛口麦〉」のCMに使われています。 歌っているのは石原軍団の一員でもある舘ひろしです。 CMでその歌声を聴いて,「ん?」と…

添削の不可能性―穂村弘的“短歌の正体”(その3)

「勉強不足」という常套句 いわゆる一つのたとえ話です。 先日行われた参議院議員選挙で,大勢の新人議員が誕生しました。 スポーツ選手やタレントなどのキャリアを活かして当選した新人議員が,重要な政策課題についてちょっと生意気なことを言うと,先輩議…

世界を倒すドミノ―穂村弘的“短歌の正体”(その2)

訂正とお詫び<(_ _)> 前回のエントリー「改悪例という方法―穂村弘的“短歌の正体”(その1)」で,短歌の引用に致命的な間違いがありました。 エントリーしてすぐにコメントを下さった方々は,不完全な問題を考えさせられたわけで,おそらくすっきりしない気…

改悪例という方法―穂村弘的“短歌の正体”(その1)

穂村弘さんの“さかさま添削” 先月の19日に国学院大学で開かれた昭和文学会の春季大会で,歌人の穂村弘さんが「短歌の正体」と題した講演をしました。 ユニークな短歌論を書いていて,興味を持っていた歌人だったのでわくわく期待して出かけたところ,予想通…

誠に勝手な29万ヒット達成記念イベント!―30万ヒット達成の日まで

29万ヒット達成記念イベント 30万ヒット達成という節目の前の微妙なキリ番ですが,おかげさまで本日めでたく29万ヒットを記録することができました(=^エ^=)。 いつも来て下さっている皆様,ときどき来て下さる皆様,かつて来て下さっていた皆様,偶然に…

スチュワーデスとの会話の意味―ワタナベは自殺する?

何度もおいしい冒頭部 村上春樹の『ノルウェイの森』を久しぶりに手にとって,冒頭部から十数ページを読み直してみました。 もう何度読んだかわからないぐらい読み直していますが,読み直すたびに与太話のネタが見つかります。 「『ノルウェイの森』のビリー…

こんな夢を見た―贋作「夢十夜」

…せっかく(?)なので、 贋作「夢十夜」 こんな夢を見た。 ひまわり愛児園の園庭はギラギラとした太陽に照らされて暑かった。 私は真っ黒に日焼けした元気な保育園児に戻っていて、スモックを着たともだちとダルマさんが転んだをして遊んでいる。 ケイコ先…

姓と名―ある政治家のポスターをめぐって

目撃,落ちた顔! 先日,世田谷区内を歩いていたときのことです。 よくある感じの政治家のポスターが道ばたに掲示されていたのですが,それがちらりと視野に入ったとき,私の大脳皮質の特定部位が激しく反応しました。 それは,福田赳夫元首相の孫にあたる自…

川奈天吾と麻原彰晃―BOOK4が出なくてはならないワケ(その2)

ふたたび殺人マシーン青豆について 村上春樹の『1Q84』の続編が出るかどうかという問題には,新潮社の商業的な都合やカスタマーレビューやブログなどで表明される読者の声,そういう働きかけを受け止める村上春樹の気持ちなど,いろんな条件がからんでく…

殺人マシーン青豆の物語―BOOK4が出なくてはならないワケ

『1Q84』の続編について 昨年の6月にBOOK 1と2が出たときに続編が出るはずだと思ったのは,タイトルに記された月が根拠でした。 「BOOK 1 〈4月―6月〉」「BOOK2 〈7月―9月〉」と来れば,当然「BOOK3 〈10月―12月〉」が書かれなく…

『1Q84』BOOK 4(未刊)のネタバレ記事を書いてみました!

BOOK 4は出る!? 自慢をするわけではありませんが,村上春樹の『1Q84』BOOK1と2が出た段階でBOOK3と4の出版を“予言”し,とりあえず1つは的中させました。(『1Q84』(1) に関するたぶんネタバレにならないトリビアルな感想) 次にBOOK4が出版…

未刊の小説のネタバレに挑戦―『1Q84』の続編大予想!

『1Q84』の続編は出るか!? 村上春樹の『1Q84』BOOK 3が発売されてから,1週間が経ちました。 続編を心待ちにしていた皆さんは,さすがにもう読み終わったでしょうから,そろそろ『1Q84』について一歩踏み込んで(?)語ってみます。 昨年の6…

妖しい『龍馬伝』の半平太×以蔵と,怪しい少年少女博物館

腐女子も喜ぶ大河ドラマ? NHKの大河ドラマ『龍馬伝』が第2部に突入したのですが,一昨日の放送に驚くべきシーンがありました。 「先生」と慕う武市半平太にイケメン俳優の佐藤健が演じる岡田以蔵が慰められ,抱擁されて,さめざめと泣くというシーンで…

からくり―森鴎外の「最後の一句」をスロー・リーディング?(その4)

元始的な機関とは? 話は「最後の一句」のネタバレ領域に踏み込みます。 桂屋太郎兵衛を死罪にしようとする権力側の意志が,助命を願ういちの願書によって軌道修正を余儀なくされ,めでたしめでたしの結末へと転換する部分です。 ちょっと理屈っぽい話になり…

地下鉄サリン事件から15年―「アンダーグラウンド」のこと

Yahoo!ボランティアから見える世界 Yahoo!ボランティアに行ってみると,たくさんの募金が受付中になっていて,世界には現在進行形のたくさんの悲劇や不幸があることがわかります。 たとえば,Yahoo!ボランティアには「募金」というページがあって,「最新の…

まちがい―森鴎外の「最後の一句」をスロー・リーディング?(その3)

“最後の一句”の解釈 タイトルともなっている“最後の一句”は,西町奉行の佐佐と桂屋の長女いちとの次のような応答の中で発せられたものです。 「そんなら今一つお前に聞くが、身代わりをお聞き届けになると、お前たちはすぐに殺されるぞよ。父の顔を見ること…