BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

俵万智の世界―チョコレート語訳に挑戦してみました!

俵万智の短歌革新運動(?) 村上春樹が『ノルウェイの森』を出したのと同じ20年前の1987(昭和62)年,短歌の世界に口語を大胆に持ち込んだ俵万智の『サラダ記念日』(河出書房新社)がベストセラーになりました。「カンチューハイ」や「サザンオールスター…

21世紀の「なんとなく、クリスタル」―小説表現の近未来

小説表現の1980年 1980年に文藝賞を受賞した田中康夫の「なんとなく、クリスタル」は,とても斬新な方法で書かれた小説として注目を集めました。 田中康夫というのはもちろん,参議院議員で新党日本の代表をつとめる,元長野県知事の田中康夫です。“ヤッシー…

『風の歌を聴け』再読―ジョニー・ウォーカーと「カラスと呼ばれる少年」

猫殺しのジョニー・ウォーカーとカラス殺しの知事さん 『海辺のカフカ』(2002)の田村カフカ少年が「カラスと呼ばれる少年」でもあるとすれば,その父・田村浩一は“猫殺し”ジョニー・ウォーカーでもあります。 そして,猫好きのナカタさんがジョニー・ウォ…

ここはどこ? わたしはだれ?―続・「ノルウェイの森」のビリー・ジョエル

「ノルウェイの森」のビリー・ジョエル 村上春樹の『ノルウェイの森』の冒頭シーンで,ハンブルグ空港に降り立った「僕」が聴く曲は,じつはビートルズの「ノルウェーの森」だけではありません。 気にする人はあまりいませんが,北海の上空に浮かんだ暗い雲…

生の一部として存在する死―『ノルウェイの森』と『魔の山』

尾崎豊を堂々とパクる(?)リリー・フランキー リリー・フランキーの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』に,尾崎豊の「十五の夜」のフレーズをもじった次のような一節があります。 単純な恋は複雑な涙で幕を閉じた。学校に行くのが俄然嫌になった…