平成が終わるまでのつぶやき
引退と退位 平成8年9月に伊達公子選手が引退を発表したとき,ファンだった私は,ほとんど「メロスは激怒した」状態でした。 理由が結婚などの私生活に関することではなく,テニスプレーヤーとして「そろそろそういう時期だ」というような口ぶりでの引退表明…
まだ誰も指摘していない「令和」の出典 新しい元号「令和」の出典は「万葉集」だとされていますが,じつは中国の詩文集「文選」にまでさかのぼることができるという指摘があります。 テクストは引用の織物であるわけで,私がここに書いている文章もこれまで…
これがアメリカ/油断すんじゃねえ/俺の生き様を見ろよ 今朝のニュースは,ヒロ・ムライさんがグラミー賞の最優秀MV部門に輝いたというニュースで盛り上がっていました。 アメリカの銃社会に痛烈に風刺したチャイルディッシュ・ガンビーノのMVを作ったのが…
「ポエム」というジャンル 中学生や高校生がノートに「ポエム」を書くという習慣,いまでもあるのでしょうか? 昭和時代の「ポエム」とは,たとえばこんな感じ(中二の頃に書いたポエムが出てきた)です。 「ポエム」と言えば女子の専売特許だと思ってしまい…
宇宙文学 紙に文字を印刷し,それを綴じて本を作り,流通経路に乗せて不特定多数の人びとに届ける。 そして,本を手にした人は,順番にページをめくりながら印刷された文字を目で追いかけ,言語的な情報を受け止めて言語表現の妙味や物語の面白さを享受する…
たとえば,自分の娘が虐待の犠牲になることを防ぐために行動を起こすことができなかった母親のことを,批判したり慨嘆したりすることは簡単です。 また,そこに「学習性無気力感」を見て取り,「診断」することによって分類整理して片付いたものとすることも…
椎名麟三を読んだ二十歳のころ 大学に入学してすぐ,ゼミに入りました。 学部1年生から大学院生までがともに学ぶ,昭和文学ゼミというゼミでした。 単位が出ない「自主ゼミ」なので,サークルみたいなものですが,毎週毎週レジュメを作って発表する人がいる…
昨日のアクセス解析 久しぶりにアクセス解析を覗いてみました。 記事アクセスランキングのスクショを公開します。 何日かさかのぼって見ていくと,日によって違いはありますが,あまんきみこと「盆土産」と「苦役列車」が常に上位に入っています。 ときどき…
数学の教育を変えるための公式 アーサー・ベンジャミンというアメリカの数学者が,こう言っています。 現在の数学のカリキュラムは、 算数と代数を基礎とします。 その後で学習するすべてのことは、 一つの科目に向かって積み上げられていきます。 そのピラ…
オジサン的マウンティング 映画「ボヘミアン・ラプソディー」がヒットしていて,若い人を含め,Queenの曲が改めて注目されています。 そういう状況になると,50代以上のオッサンは,「Queen人気は最初は日本からだったんだよね。ルックスに注目した日本の女…
金八先生とマッチポンプ 3年B組金八先生にはたくさんの不良が登場します。 逸脱した行動を続ける彼らに対して,金八先生は粘り強く寄り添い,声をかけ,心をくだき,更生への道を模索します。 「顔はヤバイよ。ボディやんな,ボディ」の山田麗子(三原順子)…
「責任」を負わせるべきは? ここ数日,冷水シャワー虐待死という痛ましい事件をめぐる報道がニュース番組で繰り返し取り上げられています。 当初は父親の無慈悲な行いに焦点を当てる報道が多かったのですが,昨日からは「お父さんにぼう力を受けています」…
「勤労統計不正調査」の淵源 「学校と社会のギャップ」という記事は,旧態依然たる学校を告発し,進歩した社会を礼賛する記事にように見えてしまうかもしれませんが,必ずしもそういうわけではありません。 以下の記述は,四方山話・与太話ブログの書き手に…
【承前】 教室とオフィスのギャップ シャープペンシルで仕事をしている人はいません。 ・・・まったくいないわけではないでしょうけれど,たぶんほぼほぼ皆無です。 この国における知的生産活動の大半は,キーボードで行われています。 スマホのフリック入力…
変貌するデスクトップと旧態依然たる机の上 大晦日の話に戻ります。 車(馬車・自動車)や電話が150年の間にいかに変貌したかという事実と引き比べながら,150年前とまったく変わらない教室の風景の写真を見せて学校システムを告訴する動画の話です。 私が高…
(承前) サバイバーズ・ギルトの文学教材 このブログを始めた2005年2月の段階では,ウィキペディアに収録されていなかった「サバイバーズ・ギルト」という言葉ですが,10年以上を経た今,それなりに知られるようになってきました。 定番教材と呼ばれる国語…
edcamp横国で死の準備教育 2016年9月25日に鎌倉で開催されて以来,東京,川崎,横浜,名古屋,大阪,神戸、広島などの大都市だけではなく,福島県飯舘村や長野県塩尻市,山梨県都留市などの地方の小都市でも開催され,全国的なムーブメントになっている教育イ…
2年前の桜桃忌の日に,小田急線の車内で,愛用のiPhoneでつぶやいたのが上の画像です。 「やりましょう!」という人が現れ,「お呼びですよ」と知り合いを誘導してくれるおせっかいな方がいて,あっという間に10人の仲間が集結! 知っている人,知らなかっ…
午前中はSUBIR 赤坂というところで開催された「ブロックチェーン×教育ワーキンググループ」の公開討論を聴いてきました。 主催は「超教育協会」という団体です。 面白い名前だなぁと思った瞬間に記憶の彼方から呼び出されてきたのが,20世紀に出ていたオカル…
アギーレ監督を覚えていますか? 平成26年から27年といいますから,ついこのあいだのことになりますが,サッカー日本代表の監督を務めていたのは,メキシコ人のハビエル・アギーレ・オナインディアでした。 要するに,アギーレ監督です。 偉そうに言っていま…
ガリ勉とモーレツサラリーマンの行動特性 午前5時から午前1時までの20時間におよぶ学習スケジュールを誠実にこなす高校生は,おそらく偏差値を上昇させることができ,超難関大学に入学して,大企業の社員になったり,公務員になったり,社会の第一線で働く…
・・・今日も,あてもなく,だらだらと書き連ねます。 働き方改革に反対する人たち 過労死や過労自殺が社会問題となり,「働き方改革」が声高に叫ばれるようになり,働き過ぎを抑制するための方策が検討され始めたとき,「好きで働いてるんだから,余計なこ…
ブログの記事を元に電子ブックを作ってみました! このブログでしつこく記事を書き続けた小説がいくつかあります。 たとえば,村上春樹の『ノルウェイの森』に関する駄文の数々や同じく『海辺のカフカ』に関する与太話の数々。 森鴎外の「最後の一句」のスロ…
言い訳めいた前置き 私の父の故郷は,九州の佐賀県です。 ですから,はなわのヒット曲「佐賀県」の歌詞には深く共感しましたし,松雪泰子も大・大・大好きです! 年齢はだいぶ違いますが,同じ大学で学んだ優木まおみにも,きわめて一方的なものではあります…
平成が終わるというので昔のことを思い出していると,ついつい昭和までさかのぼってしまうので,今日はバッチリ平成の話を。 高橋まつりさんの悲劇から学ぶ 1年近く前のことです。 「電通過労自殺」と伝えられた事件をめぐる問題について,お母様の高橋幸美…
24時間耐久マージャンの時代 1979年,初めて共通一次試験が行われ,私は高校3年生として翌年1月に実施される第2回目の共通一次試験から始まる入学試験シーズンに向けて着々と勉強をしていました。 いや,している…はずでした。。。 ところが,悪友に誘わ…
「ドキュランドへ ようこそ!」マイケル・ジャクソンの巻 NHKオンデマンドで「ドキュランドへようこそ! マイケル・ジャクソン最期の24時間」を見ました。 「小さな恋のメロディー」に出演していた美少年のマーク・レスターが出てきたのに,キャプションの名…
「岩波文化を制覇する!」という野望 1980年代はじめの大学生にとって,「岩波文庫と岩波新書を読破する!」という目標は十分に達成可能なものに見えていました。 人生をかける挑戦というほどのものではなく,なんなら大学の4年間で達成できそうな目標に過…
高大接続システム改革 大妻女子大学で開催されたワークショップの「リプライと改革病の背景」で紅野謙介さんは,「高等学校教育改革・大学入学者選抜・大学教育改革」が「高大接続改革の3点セット」であるという基本的なポイントを的確に指摘しています。 …
紅野謙介著『国語教育の危機』(ちくま新書)を手がかりに 体調不良で寝込んでいたために行けなかったイベント2つ。 そのうちの1つです。 趣旨説明(五味渕典嗣) これからの国語科の話をしよう!(古田尚行) 「読解力」とは何か?(阿部公彦) リプライと…