ブロックチェーンと柄谷行人(あと95日)
主催は「超教育協会」という団体です。
面白い名前だなぁと思った瞬間に記憶の彼方から呼び出されてきたのが,20世紀に出ていたオカルト雑誌『ムー』でした。
『ムー』を読んでいた人たちが作った団体ではないか,というひどい偏見です。
でも,そういうエセ科学的な想像力が生み出した世界観が,21世紀の今日において,少し異なる形であり,部分的であるかもしませんが,現実化していると言えなくもないわけで,「超教育協会」というネーミングは,絶妙だなぁと感じ入りました。
議論の内容も面白かったです。
それを教育の世界に導入することが検討され始めていて,一部では実証実験も始まっていて,この先どうなるか,どのような課題があるのかを考えることが眼目でした。
詳述はできませんが,たとえば,こんなことが可能になるそうです。
学習履歴、成績証明を記録することで信頼性の高いデータのやり取りが可能になる。
学習成果を共有することで自分にあったロールモデルを見つけられる。
成果物を流通させることができれば経済的な支援も可能になる。
ブロックチェーンを活用した時にできること
学位や成績証明書の真正性確認・データアクセス権限制御・コンテンツの権利情報処理
ペーパー試験の一発勝負で合否が決まる一般入試とは異なり,教員に徹底的に添削された志願理由所や大学に入るためにとりあえずやってみただけのボランティアの記録などで合否を決めるAO入試とも異なり,その人物の学びが
ブロックチェーンによって,「多様な学びの記録」と「多様化・拡大するデジタル教材のデータ集約」と「個人学習データのポータビリティ」が実現します。
しかも,データがいつでもどこでも正しいかどうか確認できます。
なんなら点数とか,答案そのものとか,面接試験の際の動画でさえも,理論的には確認可能です。
そういう仕掛けによって,改ざんすることができない正確な情報が,秘匿性も保ちつつ実現するそうです。
そうすると,奨学金受給者の審査にも使えるわけですし,もっと言えば,本人が申請しなくても,奨学金を出すべき優秀で将来性のある若者を奨学金を出す団体が探し出し,金銭的な援助を提案することに使うことさえできるわけです。
面白いなぁと思いました。
NAM運動って,2000年に本が出た当時はかなりバカにされていたと記憶していますが,今から振り返ってみると,ちょっと早すぎたんだなぁ〜と思うわけです。
こんな話も出てました。
このあたりになると,鈴木健さんの『なめらかな社会とその敵』に出てくる分人民主主義(Divicracy)を連想します。
そしてこんな話も…。
研究論文の真正性の担保(cf. STAP細胞)
論文の書き方が変わっていく可能性