死の準備教育(あと93日)
edcamp横国で死の準備教育
2016年9月25日に鎌倉で開催されて以来,東京,川崎,横浜,名古屋,大阪,神戸、広島などの大都市だけではなく,福島県飯舘村や長野県塩尻市,山梨県都留市などの地方の小都市でも開催され,全国的なムーブメントになっている教育イベントedcampが横浜国立大学の学生たちによって開催されるというので,途中からではありましたが,参加してきました。(edcamp横国)
当日集まった参加者が思い思いに出したトピック(話し合いたいテーマ)ごとに,興味を持った参加者がわらわらと集まり,プロッキーと模造紙とポストイットを使いながらおしゃべりを続けるというイベントです。
教育に関心を持つ大学生や大学院生に加え,教員,公務員,企業勤務の方,NPO法人の方,さらには高校生や中学生,ときに小学生も参加して侃々諤々と議論を重ねるという面白いイベントです。
私が参加したのは午後からの2つのセッション(語り合い)でしたが,最後のセッションのトピックは,「デス・エデュケーション(死の準備教育)」というものでした。
グリーフケアとかサバイバーズ・ギルトとか,「死」をめぐる問題に興味を抱いてきたものの,「デス・エデュケーション」という問題についてじっくり考えたことがなかったので,高校生をまじえたテーブルでのセッションは,まったく使っていなかった筋肉を使い,ときほぐすような感覚の時間になりました。
ポストイットに書き込まれた文字列を転記してみます(順不同)。
エンディング・ノート
終活
遺書を書く授業
自分の未来の年譜を書く
ブタを育てて食べる
臓器移植・臓器提供について考える
遺書を書く授業
葬儀屋でインターンシップ
完全自殺マニュアル
死神(落語)
鉄拳のパラパラアニメ「振り子」
「ごんぎつね」「こころ」
伊丹十三監督「お葬式」を観る
身近な人の死の体験を語る・書く
インターネットで「死」を見る
・・・・・
「教育」の対象が小学生なのか中学生なのか高校生なのか,はたまた大学生や社会人なのかというあたりはきっちり考えずにポストイットに書き出していったので,およそ教育的ではないと思われるものも含まれていますが,こういう「教材」で授業をすることを想定している「教科」はなんだろうと考え込まざるを得ませんでした。
大学なら一般教育として学ぶことができる講義があるのかもしれませんが,中学や高校の英語や数学などの教科では扱えそうにありません。
かりにやるとしたら,国語か道徳ということになるのでしょうか。
他者の死(三人称の死)について考え,身近な人の死(二人称の死)について考え,自分自身の死(一人称の死)について考える時間を,中学生や高校生,あるいは自分の死を意識する年代の大人のために作り出せるような教材というか,文化的なコンテンツとしてどんなものが他にあるでしょうか?
デス・エデュケーション(死の準備教育)教材候補リストに加えるべき良いコンテンツがあったら,ぜひ教えてください。