BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

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School Life With iPad〜教室の机も進化する?〜(あと90日)

【承前】

教室とオフィスのギャップ

シャープペンシルで仕事をしている人はいません。

・・・まったくいないわけではないでしょうけれど,たぶんほぼほぼ皆無です。

この国における知的生産活動の大半は,キーボードで行われています。

スマホフリック入力で仕事をしている人もいるでしょうけれど,あれもスクリーンキーボード(仮想キーボード)と呼ばれますから,キーボードであることに変わりはありません。

とにかく大半の仕事はキーボードです。

シャープペンシルではありません。

2Bの鉛筆でもありません。

万年筆でもボールペンでもありません。

プロっキーでも紙用マッキーでもありません。

Gペンや修正液で仕事をしている人たちもいるわけですが,そういうアナログな業界でさえも,全部デジタルという作家が出現し始めています。

だとすれば,教室の机の上を進化させなくてはなりません。

明治時代から大正・昭和にかけての日本の子どもにとって,学校の教室は「未来」でした。たぶん。

机があって椅子があり,黒板と白墨があり,ガラス窓がありドアがあり,洋装の大人がいて,ピアノやオルガンがある空間。

畳や土間や障子やふすまで成り立っている自分の住居とはまったく異なる,ワクワクするような先進的異空間が学校でした。

鉛筆も帳面(ノート)も,体操服もランドセルも,日常とは異なる世界からやってきたキラキラと光るまばゆいアイテムでした。

それがいつの間にか,自分が住んでいる家よりも貧相な,四角くくて色気のない鉄筋コンクリートづくりの,まるで刑務所のような空間になってしまいました。

六本木ヒルズとか虎ノ門ヒルズとか,足を踏み入れたことはないですが,昨今のオフィスは,まるでカフェのような,テーマパークのような,SF映画のセットのような,未来感満載の空間であることが珍しくないようです。

20世紀のまま停滞している学校の教室と,20世紀少年が思い描いた未来を現実化したようなイケてるオフィスと。

学校と社会のギャップを埋めるための第1歩を,埋めようとする学校がようやく現れ始めています。

で,今日はそんな学校を紹介した2分間の動画を。


うっかりすると見落としてしまうかもしれませんが,いちばん最初の男の子の顔!

いいんですよね。

明治時代の小学生が初めて教室に入った瞬間の顔。

あるいは,初めて教科書をもらってそれを開いている時の顔。

はたまた,初めて買った鉛筆を肥後守で削ってもらっているときの顔。


楽しみにしていた新刊が発売され,買ってきてページを開いた瞬間にあんな顔になる作家。

そんな作家が私にもいるといいんですけど,最近はどうも。。。