BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

N高校という学校―社会に開かれた教育(あと89日)

「勤労統計不正調査」の淵源

「学校と社会のギャップ」という記事は,旧態依然たる学校を告発し,進歩した社会を礼賛する記事にように見えてしまうかもしれませんが,必ずしもそういうわけではありません。

以下の記述は,四方山話・与太話ブログの書き手による妄想だと受け止めてください^^;

テクノロジーの進歩とは裏腹に,社会の実相は旧態依然たる悪弊から抜け出せずにいます。

セクハラ,パワハラ体罰,虐待,データ偽装,深刻な問題の先送り,その場しのぎの言い訳,責任逃れの不誠実な答弁…エトセトラエトセトラ。。。

これらの多くが,学校教育のルールの中での成功体験によって身に着いた行動特性(コンピテンシー)なのではないかというのが私の見立てです。

そして厚生労働省「毎月勤労統計調査」も同様に,学校教育のルール設定にそそのかされて身に着けてしまったクセが元優等生集団の官僚機構に広く共有されてしまった結果だと思われて仕方がないのです。

ある教科で出された宿題を完璧にこなすことよりも,できるだけ低いコストでやり遂げることが,学校教育の世界に対しては適応的です。

ひとつの教科だけが突出して素晴らしくても,他の教科の成績がふるわなければ,勝者にはなれないからです。

「課題」をこなすことが目的で,次から次へと出される「課題」を期限までに「提出」すれば,自動的に合格点の「成績」が手に入り,次のステージに進めるというルール。

「課題」を作成するプロセスに多少問題があってもバレなければ大丈夫。ちゃんと「単位」がもらえて「進級」して「卒業」して,より上位の次のステージに進めるというルール。

そうやって次のステージに進んでいくことが「成功」であると感じられる世界観。

本来はやるべき実験を省いてレポートを書いたり,本来はやるべき問題をやらずに解答集を写したり,最後まで読まずに感想文を書き上げたり,読む時間がなかったのに音読カードではやったことにしてしまったり…などという経験。

地面にあごをしっかりつけて50回腕立て伏せをすべきところを,最後の数回はちょっとごまかしてしまった経験。

そんな経験を重ねて合格や進学や単位認定を繰り返してきた人たちの末路。

・・・憶測が過ぎるでしょうか?

NHKニュースで紹介されたネットの高校

昨日のテレビニュースでN高校のことが紹介されていました。

NHKおはよう日本の「けさのクローズアップ」というコーナーで放映された「新しい学びの場 通信制高校を選ぶ生徒たち」です。

なかなかおもしろいと思うので,テレビで放映された内容の文字お越しですが,ぜひご一読ください。



基本的に通信制高校というのは,学習指導要領が定めた学習内容をドリルなどを使いながら「最低限」のコストでやり終えてしまうというところに特徴があります。

1日6時間の学習と2時間の家庭学習を想定しているような普通科の高校に適応できなかったり,そういう時間を確保できなかったりする生徒たちのためのシステムだからです。

すでに働いている人や学業不振で普通科の学校では卒業が困難な人,発達障害などで通常の学習が困難な人などでも「高校卒業」という資格を得ることができるようになっています。

それをうまく利用して,フィギュアスケート紀平梨花さんeスポーツアジア大会金メダリストの相原翼さんなど,優れた才能の持ち主が,世界の第一線で活躍するために「通学」しています。

ホームページの「ネットコース生の1日」を見ると,起床時間は6時30分だったり9時30分だったりまちまちですが,義務としてこなさなければならない「ベーシックプログラム学習」は2時間程度で,あとは自分がやりたいことをやりたいようにやっているようです。

たとえば,難関大学合格を目指すなら大学入試対策のネット予備校の授業を受ければいいですし,オリンピックの金メダルを目指してフィギュアスケートの練習をしたり,eスポーツの練習をしたりもできるわけです。

たとえば,囲碁や将棋でプロになりたいと考えている中学生,ベンチャー企業をつくりたいと考えている中学生,YouTuberやVチューバーにとっては,なかなか魅力的な高校になっている

だとすれば,学校の勉強は必要最低限で済ませ,あとは1日の大半を創作活動のために使うことでプロの作家としてデビューする高校生作家が出現するかもしれません。