BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

ユーチューブのなかの文学者―三島由紀夫,川端康成,安部公房…

ジョジ後藤との再会

 2007年3月24日に「仕事,辞めることにしました―バトンのブラックホール9」の中で,
「◆好きなタイプを外見で答えて下さい」という質問に答えた私は,
「ショートカットに黒目がちの瞳で…しなやかな肢体のジョジ後藤タイプです」と書きました。

 その8日後の4月1日には「1年熟成?“胸キュンバトン”―バトンのブラックホール10」の中で,
「Q5.胸キュンする有名人5人は?」という質問に答え,
ふたたび「ジョジ後藤」の名前をあげています。

 しつこいです。。。

 でも,このときバトンの質問に答えるために思い出してしまったジョジ後藤に,私は無性に会いたくなってしまっていました。

 しかし必死に画像検索で彼女を探したものの,ぼやけた写真を1枚見つけるのが精一杯。
 キリンレモンのCMの中でしなやかな肢体を躍動させていたジョジ後藤に再会するという望みを果たすことはできませんでした。

 ところがつい最近,ふと思い立ってyoutubeで検索したところ,あっけなく再会を果たすことができました。

 ジョジ後藤と言えばこれ!という感じの「キリンレモンのCM(公園編)」と「ウールマークのCM」です。
 
 youtube(ユーチューブ)というのは,サービス開始からまだ2年ぐらいしか経っていない動画投稿サイトです。

 日本で広く知られるようになったのは,たぶん1年ぐらい前からです。
 私が初めてアクセスしたのは,半年ぐらい前です。

 それにしても,ついこのあいだまで無理だったことが,いまは当たり前のように簡単に実現してしまう…いい時代になったものです。

ユーチューブのなかの文学者

 インターネット図書館青空文庫の楽しさを,青空文庫のなかの茅ヶ崎という記事に書きましたが,ユーチューブ(youtube)も負けず劣らず楽しいです。
 しかも,動画だからと言って文学と無縁の世界だというわけではありません。

 試しにyoutubeのなかの文学者という観点で,検索をしてみました。
 意外と面白い動画が見つかりました。

 そのうち削除されるかもしれませんが,私が見つけたものをいくつか紹介しておきます。
  (◎これはおすすめ!/○おすすめ/△関心があって,お暇な方はどうぞ)

 △三島由紀夫インタビュー(三島由紀夫がしゃべっています。市ヶ谷駐屯地で行った演説のシーンも)
 ○三島由紀夫VS全共闘(全共闘の学生たちも三島由紀夫もテンションあがってます)
 △映画「憂国」三島由紀夫の切腹シーン(かなりグロテスクです)

 △川端康成インタビュー(川端康成ってこんな声なんですね)
 ○川端康成 ノーベル文学賞受賞(もうちょっと堂々と振る舞っていてほしかった…)

 ◎あの人に会いたい「柳田国男」(どうやら,眉毛をマジックで書いているような…いや,まさかね)
 △あの人に会いたい「司馬遼太郎」(ついこのあいだという感じなので…)
 ○あの人に会いたい「安部公房」(NHKは「あの人に会いたい」をネット公開すべきですよ,絶対!)

 ◎寺山修司「日本中央競馬会のCM」(なつかしい。感動です。いやホントにヤバイです!)

 ○村上春樹カフカ賞受賞記者会見(ついこのあいだですけど,レアものですから…)
 △天才小説家 平野啓一郎 ギター演奏(いや,これはきっと,ご本人にとってはこっ恥ずかしいのでは…)
 △綿矢りさ 芥川賞受賞記者会見(ヴィジュアル系ですね,やっぱり)

 これらの動画には,他のyoutubeの動画やYahoo!ブログの画像などと同様に,おそらく著作権保護の観点から問題があるものが含まれています。

 ただし,グレーゾーンのものを含むこれらの文化的資産をどのように扱うべきか,まだまだ議論が必要でしょう。

 角川グループがユーチューブと提携するなど,著作権問題という面では新しい動きも出始めていることを考えても,著作権を杓子定規に適用することが,必ずしも著作権者の利益にならないことは明らかです。

 紹介した動画に関して少し考えただけでも,いろいろな問題がからんでいることがわかります。

 たとえば,「あの人に会いたい」はNHKアーカイブスに収められているわけですが,ネットで公開されていないので簡単に見ることができません。

 でも,紹介した文学者以外にも,多くの作家や著名人を取り上げている番組ですから,NHKの受信料を払って番組制作を支えてきた国民の一人として,ネット公開がなされてしかるべきだと思うわけです。
 また,世界に向けて日本文化を発信するという意味でも,NHKが抱えているソフトのネット公開をもっと積極的に進めるべきで,その際にはyoutubeのようなサイトと提携することも,視野に入れてよいのではないでしょうか。

 「あの人に会いたい」のような貴重な画像が,これだけアクセスしやすい状態で公開できるという現実を目の当たりにすると,どうしてもそういうことを考えてしまいます。

 ジョジ後藤や寺山修司のCMに関してはも,著作権の問題をとりあえず棚上げしてしまえば,youtubeで放映されることは,コスト・パフォーマンスという意味ではきわめて効果的だと言えます。
 キリンレモンや日本中央競馬会の宣伝を,世界中に広告料なしで配信できるわけですから,資本主義的な論理だけで考えた場合,広告主としては歓迎すべき事態でしょう。

 もちろん,肖像権の問題もからんでくるでしょうからこうした動画のアップは違法行為である可能性が高いですが,「著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」という著作権法の基本精神を生かす方法を考えた場合に,法改正を含むさまざまな議論がなされてしかるべきだと考えるわけです。

 それから,三島由紀夫の映画『憂国』の場面をアップすることなどについては,DVDで販売されているソフトですから,肖像権の問題があるだけではなく,明らかに発売元の利益を損なう行為だと言えそうです。

 しかしその一方で,自社の持つソフトがアメリカで急激に売り上げを伸ばしている原因が,youtubeにアップされた動画にあると考えた角川グループのような発想も必要なのかもしれません。
 決して突出した売り上げをしめしているわけではない『憂国』のビデオが,youtubeへの配信をきっかけに世界各国で売れるということだって考えられないことではないのです。

 要するに,より積極的なyoutubeとの提携が何をもたらすのか,ということです。すでに公開されている切腹シーンが,もしかするとすでに宣伝効果が持ち始めているかもしれないという考え方も可能なのです。

 「著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」ために何が必要なのか,youtubeの動画を楽しみながら,私なりにこれからもこのあたりの問題を考えてみたいと思います。