脱原発へのパブリックコメントを書いてみる―震災記(16)
読んだらやっぱり自分も書いてみようという気持ちになったので,すでに日付は変わっていましたが,以下のような意見をパブリックコメントとして書きとめ,送信しました。
■意見の概要(100字以内) 日本という国、日本人の国民性にかなう先進的な取り組みであり、もっとも広範な国民に支持されると考えられる「ゼロシナリオ」を選択すべきだと考えます。 ■意見及びその理由 本文書の「はじめに」に書かれているように、大飯原発の「再稼働」に反対している人々はもちろん,「再稼働やむなし」と考えている人々の多くも,各種調査を見る限り「脱原発」という点では一致していると考えられます。だとすれば、国際社会において技術革新をリードし続けて来た日本という国家にとっては、もっとも困難でチャレンジングな選択肢こそが、国民のモチベーションを上げ、国際社会において名誉ある地位を占めるための最善の選択肢だと言えます。より高い目標を掲げてこそ、ドラスティックな制度改革や技術革新を引き起こすことができます。また、これだけ激しく技術革新が進んでいる21世紀初頭の社会状況・国際環境を考えると、それぐらいのスピード感と大胆さが必要であることは疑いようがありません。 たとえば、太陽光発電について本文書中に「堅牢度に劣る住宅の建て替え」が必要であるという指摘がありましたが、既存住宅の屋根だけを太陽電池の設置場所とするという発想を捨ててしまえば、コストを下げたり、実現可能性を高めたりすることがいくらでもできるはずです。休耕田を活用するとか、児童公園を屋根付きにするとか、知恵を出しあい、試行錯誤を重ねていく余地は十分にあります。 上記のことはほんの一例です。「必要は発明の母」であり、「窮すれば通ず」であることを、もっともよく知っているのが日本人ではなかったでしょうか。 もっとも困難でチャレンジングな選択肢,「ゼロシナリオ」を強く支持します。もっといろいろと書けるとよかったのですが,ムリでした。。。
パブリックコメントを書いてみて感じたこと
書いてみて我ながら萎えたのは,真夜中にバタバタと書いたせいもありますが,まるで村上春樹の「カタルーニャ賞受賞スピーチ」(反原発スピーチ)みたいに「日本」とか「日本人」という言葉がホイホイ出て来てしまったことです。 そういう物語に依存しないと「意見」を書けなかった自分に,ビックリするやら呆れるやら…です。
原子力発電所と関連企業,関連業界との関係,電力会社の現状,電力の需給の見通し,火力発電の問題点や代替エネルギーの可能性,放射性物質が人体に与える影響,外国との関係…などなど,さまざまな問題について詳細に検討をした上で,示されたシナリオの意味をしっかり把握し,根拠に基づいた意見を明晰に述べることができれば理想的です。
でも,とうていそんなことはできませんでした。
真夜中にキーボードに向かって徒手空拳,出てきた言葉は“意見”というほどのものではなく,“気持ち”の表明に過ぎなかったのです。
もっとクールに,現状をふまえた自分なりの「意見」をもてるようになりたいです。
ただ,パブリックコメントを書いてみたことで,しっかりした「意見」を持ち得ていない自分の未熟さを再認識することはできました。
それに,「大きな音」ではなく「大きな声」の構成要素の一つにはなったはずです。
私以外にもこれまでにかなり多くの人びとが意見を送っているようなので,さらに多くの人が意見を寄せ,それこそ数十万人という規模になれば,デモにまさるとも劣らない意味を持つことが期待できます。
実質的には国民投票みたいなものになるかもしれません。
3択であるところに不満を持つ方もいるでしょうけれど,それならそれで,そういう意見を書いて送信すればいいわけです。
まだ書いていない方,3択の解説を読むのに少し時間はかかりますが,書いてみる価値はきっとあります。
8月12日が締切です。