ロンドン・オリンピックの「ヘイ!柔道」の話
「スポーツ見るもの語る者」というブログを運営している,知る人ぞ知るスポーツ・コラムニストです。
そして,数日前に終わった開会式について,こんなやりとりがありました。
フモフモ「Mr.ビーンが登場した演出がすごく面白かったです」 別所「そうですね」 フモフモ「それから最後にポール・マッカートニーさんが“ジュウドウ”の歌を歌ってましたねぇ」 別所「!?」 フモフモ「ニッポンがんばれ!って感じで,うれしかったですね~」えっ?これって,ボケなのでしょうか?ガチなのでしょうか?
別所さんもリアクションできないようで,スタジオ内には明らかにビミョー空気が…。
ラジオ出演で緊張していることが伝わってくるフモフモさんの話しぶりと,戸惑いまくっている別所さんのリアクションから,私は「ガチで間違えてる…」と感じました。
しかも別所さんはそのあと「ヘイ!柔道」発言をそのままスルーしてしまいました。
《別所さんがツッコまなかったということは,やはりガチで間違えたのか…。》
《いやいや,まさか…まさかねぇ。。。》
「ヘイ!柔道」発言はたぶんフモフモさんのあいさつ代わりのボケで,別所さんがツッコまずにスルーしちゃっただけの話だとは思いますけど…。
ちなみに,フモフモさんのコラム,下品というか何というか,エロチックな際物ネタも多いのですが,ていねいに書かれていて,けっこう面白いです^^;
どれもこれも,貴重な音源ばかりです。
美しいバラードで,大好きな曲です。懐かしい…。
ところがそこに,ドキュメンタリータッチのナレーションがかぶさってきました。
《ん?ということは,この音源はニール・ヤングの歌声?》
…でもこれはやっぱり,明らかにエルビス・コステロの声です。
どう聴いても,明らかに本人の歌声です。
ライヴ音源なのでアーティスト名や曲名などのデータが入っていないのでしょうけれど,こういう間違いにスタッフが誰も気づかないというのは…。
そういえば1ヵ月ほど前にも同じラジオ局の番組で,若い女性のアシスタントを前にした年配のパーソナリティーが「昔新宿にツバキというディスコがあって,しょっちゅうスカをかけていたんだよ」とか「セックス・ピストルズのリードボーカルのシドが,ツンツンヘアの元祖なんだよ」などということをドヤ顔(たぶん)でしゃべっていました。
「若い頃はツバキのロンドン・ナイトによく行ったよな~」というような用法ならあり得ますが,相手が知らないことを前提に「…というディスコ」として説明するのであれば,略称ではなくて「ツバキハウスというディスコ…」という風に言い表すべきです。
なんだか知ったかぶりっぽいなと感じました。
シド・ヴィシャスがボーカルをつとめてリリースした「マイ・ウェイ」や「サムシング・エルス」をセックス・ピストルズの曲と勘違いしたのかもしれませんが,「リード・ボーカル=シド・ヴィシャス」発言の後に流した曲が「アナーキー・イン・ザ・UK」では,弁解の余地がありません。
そういえば,ロンドンオリンピックの開会式で流れたブリティッシュ・ロックの名曲の数々にはテンション上がりっぱなしでしたが,セックス・ピストルズの曲は「Anarchy In the U.K.」でも「God Save the Queen」でもなくて「Pretty Vacant」でしたね。
ちょっと笑っちゃいましたけど,まあ,そりゃそうですよね( ̄ー ̄)。
(訂正:リアルタイムで見てなかったので知らなくて,あとから録画映像を見てわかったんですが,開会式の冒頭でSex Pistolsの「God Save the Queen」がワン・フレーズだけ使われていました。)
たしかに,氷川きよしの「櫻」を水森かおりの「ひとり長良川」が抜いたという演歌チャートの世界と,今年の上半期の売り上げ第1位は佐島勤の「魔法科高校の劣等生」であるというラノベの世界は,それぞれまるでパラレル・ワールドで,両方の世界を往還できる人は,たぶんほとんどいません。(「AKB48と氷川きよし」)
最近のFMラジオがオヤジの私にとっては信じられない間違いを連発したのも,互いに共有できる文化的基盤や“教養”が成立しなくなり,みんながバラバラなパラレル・ワールドを生き始めているからなのかもしれません。