BUNGAKU@モダン日本_archives(旧・Yahoo!ブログ)

2005年2月18日〜2019年12月15日まで存在したYahoo!ブログのデータを移行しました。

2012-01-01から1年間の記事一覧

山田詠美と山田双葉―1980年代文学論ノート(3)

三、山田詠美の誕生 山田詠美のデビューをめぐってまず注目しておきたいのは、文藝賞と芥川賞の選評における「ベッドタイムアイズ」評価の落差である。 文藝賞の選評(注5)で最大級の讃辞を贈っているのは江藤淳で、「山田詠美『ベッドタイムアイズ』を一…

山田詠美と山田双葉―1980年代文学論ノート(2)

二、芥川賞をもらえなかった理由 高度成長期の終焉後の一九八〇年代にデビューし、人気と実力を兼ね備えた作家として活躍を続ける山田詠美は、新人作家が純文学の正当な継承者として登録されるための通過儀礼の機能を果たしていた芥川賞を受賞していない。も…

山田双葉と山田詠美―1980年代文学論ノート(1)

一、ポルノ雑誌のなかの山田双葉 「ベッドタイムアイズ」で作家としてデビューする前の山田詠美は、商業誌を舞台に活躍する漫画家だった。しかも本名の山田双葉という名前で発表された漫画には、『漫画エロジェニカ』(海潮社)、『漫画大快楽』(檸檬社)、…

「共喰い」と「道化師の蝶」を読む―ふたたびの芥川賞ダブル受賞

昨年の今ごろ,朝吹真理子の「きことわ」と西村賢太の「苦役列車」の2作品が第144回芥川賞を受賞し,大きな話題を呼びました。単行本はいずれも10万部を超える売れ行きを見せ,両作品が掲載された『文藝春秋』3月号も通常部数の約2割増に相当する75万…

私たちが読んでいる「羅生門」はホンモノの「羅生門」なのでしょうか?

スポーツになった柔道 「柔道の父」と呼ばれる嘉納治五郎をタイムマシンで21世紀に連れてきて,グランドスラム・東京(旧称・嘉納治五郎杯東京国際柔道大会)を観戦させたら,いったいどんな反応をするのでしょうか。 巨大な柔道競技場の建物(東京体育館…

再び・リーダー不在の日本社会―震災記(番外編3)

リーダー力についての記事に熱いコメントを頂きました。 頂いたコメントに反応しながら,自分の考えを改めて書き記してみます。 生まれ育った環境 Yahoo!ブログにおけるNO.1路上観察ブロガーであるむにゅさんのコメントに,次のような指摘がありました。 基…

続・リーダー不在の日本社会―震災記(番外編2)

リーダー力をどう育てるか リーダーを育てようということを考えるときに多くの教育関係者が思い浮かべるのは,文化祭や体育祭のような学校行事,生徒会活動,部活動などです。 もちろんこれらの活動が生徒に与える影響はきわめて大きいですし,そこで養われ…

リーダー不在の日本社会―震災記(番外編)

東日本大震災のあった昨年暮れに,慶応大学三田キャンパスで行われた「リーダー力をどう育てるか」というテーマの会合に参加しました。灘中学高等学校教頭の倉石寛氏(現在は立命館大学教授)を座長として続けられてきた情報交換&勉強の会です。 * * * …

バングラー通りの賑やかな夜に―プーケット訪問記3

バングラー通りを歩く 3日目の夜にパトンビーチ最大の繁華街として知られるバングラー通りに行きました。メインストリートを歩いて通り抜けるだけの訪問でしたが,横浜で言えば,花火大会の夜の馬車道とゴールデンウィークの中華街と金曜日の夜の西口五番街…